宮城県石巻市雄勝町。リアス式の美しい三陸海岸に面したこの町は、森と海と水に恵まれ、東日本大震災の前は、約4,300人が暮らす活気あふれる町でした。
帆立や銀鮭、牡蠣やホヤなどの養殖を中心とした漁業だけでなく、国内の生産量の実に90%を占め、あの東京駅の復元改修工事の際に雄勝産の天然スレートが使われたことで注目を集めた、雄勝硯。国の重要無形文化財である、室町時代から伝わる雄勝法印神楽など。日本そのものの財産といえる自然と文化、そして生活の営みの凝縮が、この町にはありました。
2011年3月11日。雄勝町を襲った東日本大震災の大津波は約250名の命を奪い、町の約7割の建物を壊滅させました。現在の人口は震災前の4分の1、約1,000人です。
しかし、雄勝町で生きる人たちは、たくましく産業の復興に取り組み、また日本全国や世界中から、さまざまな分野のプロフェッショナルたちが集まり、新しい日常へ向けての確かな歩みを一緒に始めています。